第25回山形県作業療法学会
学会長　佐藤千鶴子

第25回山形県作業療法学会が平成29年5月27日、28日の両日、酒田市公益研修センター多目的ホール（東北公益文科大学キャンパス内）に於いて開催されることとなりました。

学会のテーマは『未来をつくる作業療法～深化のとき～』です。

医療・介護・予防・住まい・生活支援が一体的に提供される、地域包括ケアシステムの構築が本格的に進められ始めました。自立支援型地域ケア会議も各市町村で開催されるようになり、認知症初期集中支援チームの一員として活躍している作業療法士も増えつつあります。また、我々作業療法士には地域支援事業、介護予防・生活支援サービス事業や地域の交流サロンに関わることも求められています。住み慣れた地域で対象者が望む生活を支えられるよう、我々作業療法士が関わる環境も変化し、職域も拡大しています。今こそ、作業療法(士)が深化し、多岐にわたる我々の進むべき道をより明確に捉え、より深く考え、挑戦していくことが必要と考えます。対象者の未来をつくり、我々作業療法士の未来もつくるという想いを込め上記をテーマと致しました。

特別講演は、一般財団法人　竹田健康財団　介護福祉本部長代理の太田睦美先生を講師に迎え、対象者を急性期の医療から回復期、生活期、地域へとシームレスにつないでいくために我々作業療法士が出来ること、成すべきこと、期待することについてお話し頂きます。太田先生の作業療法士としての経験をもとに、より実践かつ先進的な側面からのお話が伺えるものと期待しています。

一般公開講座は、山容病院院長の小林和人先生より、認知症についてのお話を伺います。小林先生は、職員も患者さんも『主体性』『成長』『飲む治療から学ぶ治療へ』をキーワードに、リカバリーに向けて一体的に取り組むことが大切という信念のもと、地域医療を展開されています。認知症カフェの設立、認知症サポーター養成講座の講師や認知症初期集中支援チームにもご尽力されています。一般参加者にも分かりやすく、かつ我々作業療法士に望むこと、地域課題、これからの認知症ケアについてなどお話し頂けることと思います。

他にも、一般演題、生活行為向上マネジメントに関する演題、ミニレクチャーの企画も予定し、より実践的な、明日からの仕事の糧になるよう準備を進めております。

本学会が県内地区毎での開催最後となります。地区開催で培ってきた庄内地区会員の連携の集大成として、会員の皆様のご協力のもと、より多くの方の発表とご参加を期待しております。どうぞ、よろしくお願い申し上げます。